中小企業の株式譲渡では、同族会社株式や譲渡所得税の取り扱いが複雑になることがあります。知らずに取引をすると、思わぬ制約が生まれることや、知らずのうちに税金を滞納してしまう可能性も。正しい知識を身につけて株式の取引を進めてください。
同族会社株式とはどのようなものか?

同族会社株式とは、「同族会社の同族株主たち」が「大多数を保有した状態の株式」のことです。これだけ見ると複雑に感じますが、それぞれのワードの定義から紐解いていくとわかりやすくなります。
同族会社とは
同族会社とは、特定の人(ほとんどが経営者一族)に株式の大部分が集中している会社です。結束が固く、様々な決定が迅速に進むのが強みといえます。反面、閉ざされた経営になりがちで、経営者の独断で不当な経済行為が起こりやすいのが特徴です。それを防止するため、厳しい特別規定が設けられていることも特徴です。
同族会社株主とは
同族関係者のグループが保有する議決権の割合が、3割以上になった際に、その株主自身を含む同族の関係者のことを指したいいかたが同族会社株主です。細かい条件はありますが、ここでは「同族会社の経営権が集中している株主のこと」だと考えていただければ大丈夫です。
同族会社株式とは
同族会社によって発行された株式のなかで、同族株主がほとんどを所持している株式のことを指します。同族会社の場合、その経営者は一族によって構成されていることがほとんどで、株式も経営者一族で固まっています。
法人の株式譲渡で発生する譲渡所得税の計算方法とは

株式譲渡を行い、会社が利益を得た際に発生するのが譲渡所得税で、株式を譲渡する側(売手)が納税するものです。
譲渡所得税は以下の計算式で求めます。
- 総収入金額-必要経費=譲渡所得
- 譲渡所得×20.315%=譲渡所得税
似たような名前が多く混乱しがちですが、それぞれは難しいものではありません。各項目について解説いたします。
総収入金額
総収入金額は、株式の譲渡価格のことです。「譲渡する株式につけられた価格」と考えるとわかりやすいのではないでしょうか。この総収入金額は売り手と買い手で自由に決められるものです。法律による下限や上限はありません。
必要経費
必要経費は、株式譲渡を行う際に発生する経費のことです。
必要経費には以下のものが含まれます。
- 株式の取得にかかった取得費
- 仲介会社やFAに支払う委託手数料
- その他譲渡・取得に必要な経費
ここでいう取得費とは、会社設立時に出資した資本金をはじめとした初期投資分です。「買手側が株式を譲受する際の費用」ではないので注意してください。
会社設立から年月が経過していると、取得費が算出できないことがあります。明確な金額がわからない場合は、譲渡価格の5%を「概算取得費」とすることも可能です。
必要経費は余すことなく計上した方が節税につながります。大きな金額になりやすい委託手数料も経費に入りますので、必ず忘れずに計上してください。
譲渡所得
譲渡所得は株式譲渡で実際に得た利益です。総収入金額から経費を引いた、純粋な利益だと考えてください。この譲渡所得に、後述する税率20.315%をかけた金額が譲渡所得税です。
税率20.315%
株式譲渡税は一律で20.315%と定められています。これには所得税・復興特別所得税15.315%と住民税5%が含まれています。2021年の時点では20.315%ですが、毎年必ずしもこの税率であるとは限りません。譲渡所得税を計算する際は、税率を確認しておくことが大切です。
中小企業の株式譲渡は専門家に任せれば安心です
同族会社は経営者の力が大きく、それゆえに不適切な経営になりやすい体質を持っています。税逃れをなくす様々な制約があるため、株式譲渡には注意が必要です。同族会社の株式取引や譲渡所得税は、うっかりミスが大きなトラブルに発展します。確実な納税を行うために、ぜひ専門家にお任せください。
合同会社はやせでは、中小企業の株式取引や経営のサポートをしております。専門知識と経験が豊富なスタッフが支援いたしますので、どのような問題でもお任せください。創業支援や事業承継も得意としております。なにかお困りごとがございましたら、まずはお問い合わせください。
中小企業の補助金制度や事業継承について
- 【群馬】事業再構築補助金とはどんな補助金?対象要件や例について解説
- 【群馬】事業再構築補助金をご検討の方へ!特別枠と事業計画書の書き方を解説
- 【群馬】事業再構築補助金の書き方・加点・申請方法なら合同会社はやせへ!
- 【群馬】事業再構築補助金の交付申請は難しい?不採択を回避する基礎知識
- 中小企業の会社売却でかかる税金・税務とは?節税対策についても解説
- 【中小企業】会社売却の手続きで必要となる書類や売却を成功させる方法を紹介
- 中小企業の会社売却なら!事業承継が必要な理由と退職金を活用するメリット
- 中小企業の会社売却なら!事業売却による従業員への影響と仕訳前の注意点
- 【群馬】中小企業M&Aの流れと譲渡企業(売り手)の課題について解説!
- 【群馬】中小企業のM&A!手法・目的・メリットを解説
- 【群馬】中小企業M&Aの仲介!会社の選び方・売上・目的などを解説
- 【群馬】中小企業のM&Aなら仲介会社に相談!M&A成功事例をご紹介
- 中小企業の株式譲渡のことなら!譲渡時に課せられる税金と確定申告の対象
- 中小企業の株式譲渡をお考えなら!契約書と手続きの流れについて解説
- 中小企業の株式譲渡のことなら!有限会社・子会社を買収するメリット
- 中小企業の株式譲渡をご検討なら!同族会社株式と法人の株式譲渡について
中小企業の株式譲渡のご相談をお考えの方は合同会社はやせへ
会社名 | 合同会社はやせ |
---|---|
代表社員 | 早瀬 達 |
住所 | 〒376-0021 群馬県桐生市巴町1丁目1114−18 |
電話 | 0277-43-8811 |
ホームページ | http://tatsuhayase.hayasecorp.net |